前線の匂ひがみなぎつてゐます(顔を見るだけで満足)

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陸軍軍属 松村 雪子 命
  陸軍軍属 松村 雪子 命
  昭和十九年一月二十三日
  中国広東省番禺県秀木橋にて戦死
  名古屋市中区西瓦町出身
  第百四師団司令部副官部所属
  二十三歳

(前略)
 昭和十九年の決戦態勢に入りまして、こちらも何だかきびしい空気がただよつてゐます。國民がいよいよ一丸となる秋《とき》が参りましたね。
 先日の臨休の時、野戦病院と陸軍病院を慰問しました。内地とちがつて野戦病院は看護婦さんも無く、殺風景な男の人バカリの灰色の感じが致します。
 私達の差し上げるお花をとても嬉しさうに動けない身体を無理にずらせて瞳の中に嬉しさを一杯あらはしていらつしやる姿には、涙がこぼれます。
 戦地といつても広東は平和そのもので内地より物資も豊富ですので私達も南支へ来てもさほど胸をつくものがありませんが、かうして病院へいつたりしますと前線の匂ひが多分にみなぎつてゐます。私達もその内に前線へ慰問に参る予定ですが何《いず》れも芸無し猿ですから困つて居りましたら、兵隊さんは顔を見るだけで満足だと伺ひます。(後略)
 一月十六日
                               ゆき子
兄 上 様
姉 上 様

  【平成十四年十一月靖国神社社頭掲示】

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